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出合と風景ビールの旅 / スイス・北イタリア

スイスはドイツ語を話す地域もあります。この国では他に3種の言語が使われています。

北イタリアの一部にもドイツ語を話す地域があります。ハプスブルク家の時代はオーストリアであったのが、第一次大戦後イタリアに割譲された為に、現在は独語とイタリア語を話す住民が混在しています。
そうゆう事を知らなければ、イタリアなのにドイツ語圏?と不思議な感じがしますね。

両地域ではビール純粋令に従ったマイクロブルワリーもあり、個性的な地ビールも存在します。スイス、北イタリアの地ビールを巡る呑み助旅、ビーアライゼを始めましょう!



ドイツワイン中心のお話はこちらから 
サムライ・クラヴィーアバウアー・ワインの旅






コンセプト

◎ Schweiz(スイス)

スイス国鉄(SBB)のフィスプからアプト式の電車、私鉄のマッターホルン・ゴッタルド鉄道に乗り、約60分で終点駅ツェルマット。

谷あいのツェルマットは風光明媚。アルプス観光のハイライトともいえる所でもあって、スキーや登山・ハイキングをしようと世界中から観光客がやって来ます。

サンモリッツ行のグレーシャーエクスプレスの始発駅でもあり、鉄道旅行を楽しもうとする人達の姿もあります。

ツェルマットは特殊車両を除き、電気自動車以外は通行禁止のエコな街。観光バスや自動車で来た人は、ツェルマットに乗り込むことが出来ません。
中国人の大団体も日本のシニアグループも、5.7㎞手前のTäsch駅に車を止め、そこから鉄道を利用して来る事になります。排ガスがほとんどないので、空気は澄んでいます。



しかし、高山のシャッターチャンスはほんの僅かで、いつでもという訳には行きません。標高は1620mと高く、深い谷に集落があるので、何日も雲が留まり集落全体が白く覆われてしまいます。
マッターホルンを見る為に何日も滞在しているという方もいます。




1) Zermatt Matterhorn Brauerei ヴァリス地方の小さなブルワリー


環境に配慮したツェルマットの町外れに、小さな地ビール醸造所ツェルマット・マッターホルン・ブラウエライがあります。 ヴァリスアルプス最高峰(4,634m)の名を採ったモンテローザ、独立峰マッターホルンという銘柄の2種。
此方ではビール製造はしていますが、訪問客をもてなすレストランやビールパブが有りません。外食は非常に高くつくスイス。幸い三つあるスーパーは、このビールの取扱をしているので、サンドウィッチ等と一緒に購入して宿でいただくのが、エコノミー。

歴史のあるスイスチーズも味わってみたいという方には6Pチーズがお勧めです。多様なチーズがあるスイス。

大型のチーズを買ってしまうと口に合えばよいのですが、そうでない場合は結局口にできなかったという事に・・。6Pなら量が少しで色々試せる上、リーズナブルです。


お金の使い方は様々、飲食・自然満喫・列車旅行・避暑・高級リゾート等、まぁ訪問者の目的が何かにもよりますが、山間部に限らずスイスはホテルや外食物価が高いので、管理人の場合滞在費を抑えるのにスーパーストアーを利用します。

ドイツのように気軽に入って一杯という訳には行きません。レストランに入ってという事になると、軽いドリンク込で4,000円前後の出費、是か非か考え処です。





モンテローザ銘柄は無濾過のラガービール、マッターホルン銘柄は褐色のビールです。ヴァリスアルプスの恵みともいえる湧水を使い、ドイツのビール法に従った製法で、環境に配慮しているツェルマットらしいビールです。

明らかに日本のラガー系ビールとは違います。控えめな泡立ちと、適度に利いたホップに麦汁の甘みも感じます。
マッターホルンの雄姿に近づいた後の喉の渇きにも、ハイキング後も、又、夕食の友にも最適です。

スイス・ツェルマットに行かれることがあればお試しください。






観光立国スイス。
交通手段も整備されているので、年齢や体力に応じて登山も楽しめるという事から、足腰が不安な方でも行けるコースもあります。

登山電車(片道5,000オーバー)は運賃超高値ですが、終点のゴルナーグラード駅迄行くと、天気さえ恵まれれば誰でも雄大なアルプスを満喫できます。

此処のハイライトは何といっても、イタリアとの国境にある独立峰マッターホルンでしょう。

スネガ(Sunnegga)展望台ですと、午後投着して翌日出発という時間がない方にもお勧めなエコノミーコース。
岩山のトンネルを通るケーブルカーでスーッと2,288m迄連れて行ってくれます。






◎ Luzern(ルツェルン)

ルツェルンはSBB(スイス国鉄)、SOB(南東鉄道)、ZB(中央鉄道)が集まる行き止り式のターミナル駅。ブリエンツ湖やインターラーケン、レマン湖に向かうゴーデンパスラインや、ザンクトガレン方面ボーデン湖に向かうフォア・アルペンエクスプレスといった特別列車で風景をたのしむ旅行者の起点。


ルツェルンの鉄道駅から出るとトロリーバス、路面バス、市電のターミナルにもなっています。

天気が良いと北側にアルプスの連山が見え、美しい水のルツェルン湖や名所カペル橋も直ぐ目の前に見えてきます。






2) Rathausbrauerei Luzern

名所カペル橋の近くに、ラートハウス・ブラウエライというマイクロブルワリーが有ります。テラス席、アーチーの下、店内。好みと天候で席をチョイス出来ます。
提供される自家製ビールは無濾過の二種、Zwickl(Keller)BierとWeizen。管理人は未経験ですが、他に季節のビールもあるようです。

グラス売りで0.2L (約540円~)、0.3L (約630円~)、0.5L(920円~)といった価格設定。市内散策の後ちょいと一杯、気軽に立寄れます。万人向けのおすすめは、Zwickl(地域によってはZwickel)Bier。苦味と甘さのバランスが良く取れていて、見た感じも奇麗で濁りが淡いビール。

対してもう一方は濁りが濃くて、何かありそうな感じです。管理人は色々なヴァイツェンも経験していますが、ここのヴァイツェンはかなり個性的で、酸味が強く出ています。

油を使った料理と合わせるなら、何とかバランスが取れると思います。ビール単体で味わうには一寸主張が強いタイプ。まぁ味覚はそれぞれですので、大好きという方もいるでしょう。








◎ 北イタリア

ボルツァーノ(独名:Bozen)は、北イタリアのトレンティーノ・アルト・アディジェ州の街。インスブルックから気候の分岐点というブレンナー峠を下っていきます。以前は検問審査の為に停車時間が長く、EU体制になってからは通常の運行の様に、違和感はありません。
南国の日差しが強いイタリア領内に入ると、建物の雰囲気が変わってきます。夏季はイタリア国民の避暑地として、ロッククライマーのメッカとしてドロミティ山塊への起点になっています。



3)Bozner Bier Hopen & Co

月~金9~19時、土9:30~18時、日(5月~10月)10~15時 / 店内はチャージ料加算

地ビールを訪ねて行ったわけではありませんが、立ち寄ったところが偶然マイクロ・ブルワリーだったというお話。

ドイツビール法に従った製法のブルワリー。お客の注文を暫く見ているとミュンヘン風ビールへレスが多いようなので、それを注文。泡立ちは中庸やや甘みがあり、淡い感じの濁りもあります。

他にDunkels,Weizn,Radler,季節のビールの5種類となっていました。おかわりはラドラーで。
この時間帯、急な雷雨で店内に避難しましたが、通常店内はテーブルチャージが発生するので、表の方が人気があります。

この町はイタリア国内ですが、南チロルと呼ばれ、伊独両方の言葉が話されています。歴史を知らない外国人からすると、ユニークな街と映ります。何故?

7世紀頃からバイエルン人が住み着いて以降、政治的にバエルン国、オーストリア帝国、第一次大戦後は、イタリア。そしてヒットラー時代はドイツ占領地という複雑な歴史が絡みます。

最初にイタリアへ割譲された時は、95%程度がドイツ語圏の住民が居住。その後はイタリア人が増えてました。
イタリア化を進めた政府政策もあって、1950年代から民族紛争の火種になってテロも多発。
現在は自治を認められ、物騒なことはなく、長らく平和な街になっていると聞きました。

ボルツァーノには1908年開業、ソプラ・ボルツァーノ行き、世界最古というロープウェイがあります。標高約260mのボルツァーノから、ソプラ・ボルツァーノ駅迄標高差950mをググッと引き上げてくれます。蒸し暑いボルツァーノからすると湿度が低く爽やかなドイツ語圏住民地域です。

通常ロープウェイは上がり切ったら終着点ですが、このロープウェイは4560mの営業距離で、平行移動する区間があってとても長く感じます。ソプラ・ボルツァーノ駅から、リットナー狭軌鉄道に乗り換えて、コッラルボ間はのどかな高原風景。ドロミティ山塊も見えてきます。

4)Dolomiti Roso

この地域の名を冠した地ビールは、ドロミティ・ロッソ(赤)という銘柄、泡立ちは中庸。南ドイツのドゥンケルの様な紅茶色ですが、キャラクターは少し違い、アルコール度数が6.7%と高く、一気に飲むタイプではないので、少しゆったりといただきましょう。
ローストが強めなので香りが立ちやや甘め、僅かにカラメル風味。

ドロミティ山塊はウインタースポーツでも賑わいます。余り観光地化されていないので、公共交通機関が少なく夏季は静かです。スイスとは違い、車を持たない外国人の個人旅行は何かと不便な所で、日に数本のバスしかなく、グループ旅行でないと懐深く入りずらい地域。しかし、景色はスイスアルプスとは別の趣で、訪問者を楽しませてくれます。


5)BIRRA VENEZIA Blond 
この地の地ビールは1835年の記録に残されていて、第二次大戦の前1929年に生産拠点を失います。その後は長く地ビール生産がなかったのですが、21世紀になってBirra Venezia Srl社が設立されました。

2020年3月新型コロナウイルスで北イタリアのヴェネツィアやミラノは、観光どころではない深刻な状況。一般小売店は大変でしょうが、飲料なので住民ユースが安定的。終息すれば世界的観光地のヴェネツィアでの消費は、プラス観光客の消費も加わるので、会社自体は持ちこたえられるのではと思います。




6)
BIRRA MORETTI

モレッティビールは、クロアチアに近いヴェネツィアら高速列車で2時間程東にあるウディーネで1835年に設立。エレガントな緑のスーツに帽子をかぶった紳士のマークで知られます。

操業当時は地域の消費を満たす程度の地ビールで、1997年以降オランダのハイネケンが買収しました。
創業者モレッティのレシピが受け継がれているかどうかは不明ですが、地域の嗜好に合わせた各種ビールを生産し、北イタリア周辺に出荷しています。

ベーシックなピルスナーだけでなく、オーストリア・ハプスブルク家領内であった事に寄るのか、レモン果汁を加えたドイツ語圏のビール飲料ラドラーや、ブランコという小麦ビールもあります。
御当地柄ラドラーはシチリア島のレモンを使用しているとの事です。