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東部ドイツの麦酒巡りに御案内します

電話でのお問い合わせはTEL.042-563-8967

〒208-0013 東京都武蔵村山市大南3-134-15

出合と風景ビールの旅 / 東部ドイツ

東部ドイツ・ベルリーン

◎ Berlin

ボンから首都がベルリーンに戻り、中央駅が新設。ポツダム広場に出来たソニーセンターと中央駅は新しいランドマークとして人々を迎えています。

東西ベルリーンのターミナル駅だったフリードリヒ・シュトラーセ駅とツォー駅は、この新駅の開設で長距離列車は止まらなくなりました。遠方からの人の流れは、中央駅を基点に始まります。



今までの高架ホームに交差する地下ホームは、吹き抜けになった明るい構造。
必ずしも地下が長距離という事でもない様です。

上のホーム、下のホームと相互に見えますから、降りるか上がるかの選択で、それほど迷う事もありません。

アムステルダム行きは高架でしたが、フランクフルト行きは地下でした。



冷戦時代この街はのランドマークといえば、西側は空爆を受けたまま残されたカイザー・ヴィルヘルム教会。
東側は、当時同じ社会主義国のスウェーデンの協力で造られたテレビ塔。
東ドイツ時代に見た軍事パレードは、今でも印象に残っています。


この街を鉄道で移動すると、何か東京と似ている気がします。鉄道は1871(日本:明治4)年から順次建設されたそうですが、現在一周60分位で山手線と同じ位。
リング線やベルリーン地下鉄は、パンタグラフがない第三軌条という脇から電気をもらう形式の鉄道です。ハンブルクもこの形式を採り入れた地下鉄です。フランクフルトやシュトゥットガルト地下鉄はパンタグラフがありますね。

ベルリーンを参考に、環状線と地下鉄を採り入れたのが東京という事の様です。この街の鉄道にのっていると何か親近感があるのはその為の様です。

また、この都市の地下鉄に乗って興味深いのは、各駅の雰囲気です。コンクリートむき出しのホームもありますが、創業当時を連想させるところや、ユーゲントシュティール風の物あり、訪れる外国人の目も楽しませてくれます。






新設された近代的中央駅に対して、この都市の地下鉄ホームは一寸覗いてみたくなる様な歴史ある都市交通網です。





1) Berliner Weisse ベルリナー・ヴァイセ

ベルリーンを代表するビールといえば、ベルリナーヴァイセ。比較的酸味が強い為にシロップを入れ、ストローで飲みますから、ビールというよりビールカクテルといった方が良いかもしれません。グラスは店によって違いますが、シロップは赤と緑です。



2) Berliner Kindl ベルリナーキンドル
Alt Berliner Biersalon アルト・ベルリナー・ビーアザロン









21時過ぎても明るい夏のベルリーン。クーダーム通りの飲食店は、どこも深夜まで賑わっています。

ベルリン子御用達のビールといえば、1872創業のベルリナー・キンドル。

麦の味を感じられるラガー(ピルス)ビールで背の低いチューリップ型グラスで出てきます。

Alt Berliner Biersalon も125年の歴史を持つ店。ビールパブのようですが伝統的郷土料理、朝食、ケーキ等も提供していて価格もまぁまぁ。

テラス席に着いたことがないという位込み合っていますが、ここに来るなら店内席が確実そうです。テーブルチャージもありません。







3) Brauhaus Lemke マイクロブルワリー・レムケ


創業数百年というブルワリーがゴロゴロしている南ドイツとは違い、一昔前ならベルリーンのビールといえば、前述の2点位ともいわれましたが、創近ごろでは新興のマイクロブルワリーが増えつつあるということで、様子が変わってきているそうです。
人口の4分の1が外国人という地域柄、このマイクロブルワリーは伝統的ドイツビールというよりも、英国・アイルランド風のレシピであったり、アメリカンレシピであったり、多様化したビールを製造。



レムケの店舗は、ここシャルロッテンブルク地区の他、市内中心部に二つあります。市内で最古参のマイクロブルワリーだった此処Louisenbrau はレムケが学んだところで、現在は合流。それ故この店内では新興のブルワリーというイメージは感じられません。

ドイツ伝統のビールというよりも、外国人が多い街らしくコスモポリタンなビールを提供しています。8種類のビールを製造していますが、色々なビールを楽しみたいと思ったら、6種がセットになっているビーア・プローベがお勧め。

時期によって種類は異なるかもしれませんが、こんな感じで運ばれてきます。泡立ち具合も異なり、見た目にも頃なる色合いで楽しめますね。左の3種はアルコールが強くなります。





東部ドイツ ザクセン・アンハルト州

◎ 東部ドイツSachsen-Anhalt(ザクセン・アンハルト)州

ドイツ東部観光の穴場として、ハルツ山系の町があげられます。
魔女伝説のあるブロッケン山は、冷戦時ソ連軍事施でレーダー基地があり、民間人は立ち入れない所でした。年間通して霧に包まれている事が多く、その姿はほとんど見えないという事で、魔女伝説の地としても知られています。

大戦後長くブロッケン山の東西は分断されていた為か、1990年代初期では接続も悪く、ローカル線の乗り継ぎだけで、アクセスは良くありませんでした。
現在は大分乗り継ぎが良くなり、民営のハルツ・エルベ急行(HEX)を利用して2~3回乗り換えれば、ベルリーンやライプツィッヒから3~4時間、フランクフルトへは4時間30位で行く事が出来ます。

因みにハルツ山地の北西にあるゼーセンはHeinrich Steinweg(ハインリヒ・シュタインヴェーク、初代スタインウェイ)の創業地で、南東部ザンガーハウゼンは1990年代に廃業したアレキサンダーヘルマン社があった町です。
4) Brauhaus Lüdde / Quedlinburg ブラウハウス・リュッデ

世界遺産クヴェトリンブルクにあるリュッデは地元で人気のビールバー。

ハルツ山系の清涼な水から仕込まれるビールは二種類。蔵出し黒ビールとピルスが用意されています。

墨汁の様な、かなりローストが利いた黒ビールがオーダーの中心の様です。

初めて見た時はどんな味がするのかと思いました。お味は極めてマイルドでした。

醸造所直営レストラン併設、食事もできるので、子供連れの客もやってきます。価格は極めてリーズナブル。

夕立ちの後の一時、仕事帰り(?)にやってきて、黒ビールを一杯引っかけ『プハー〜』と長居せずに出ていく常連らしきお客も何人か見かけました。
1000年以上の歴史を刻んだ岩山にそびえるザンクト・ゼルバァティウス教会は町のシンボル。その他14世紀頃から建て続けられた色々な様式の民家が、1300以上残っているといいます。

それは主要幹線から大きく外れ、近代史から取り残されてしまった事が却って幸いし、大戦の空爆を受けなかった事も幸いでした。


ロマンチック街道のローテンブルクは多くが再建された民家ですが、此方は中世の佇まいを残し、現代に息づいています。



5) Hasseröder vom Fass / Wernigerode ハッセレーダー


クヴェトリンブルクは便利になったとはいっても、ローカル線の支線にあるため、時間を採れない旅行者は訪問する事が難しいかもしれません。

では、もう少し簡単にハルツ地方を楽しめるヴェルニゲローデに立ち寄ってみましょう。前述のHEXの他ドイツ国鉄も停車します。

ブロッケン山方面に向かうSLのハルツ狭軌鉄道があり、乗車しなくてもその雄姿を拝見できます。

市内は木組みの小さな家も立ち並び、ヴェルニゲローデ城に上がれば市内展望ができます。運が良ければ魔女伝説のブロッケン山も見れます。

ここのローカルビールはハッセレーダー。ピルスビールが主体で種類は多くありません。やや濁りがありますが、のど越しの良いすっきりタイプ。








この日、ヴェルニゲローデ城から、かすかにブロッケン山の姿が見れました。


東部ドイツ ザクセン州

◎ 東部ドイツSachsen(ザクセン)州

ザクセン王国帝都はドレースデン。歴史的建築物の多くは、第二次大戦ドレースデン大空襲で失われてしまった街です。管理人は東時代を含め何度も訪問しています。

当時からすれば聖母教会(Frauenkirche)も再建され、旧来の姿を取り戻してきたように感じます。

フリードリヒ・アウグスト強王(August der Starke、1670〜1733年)は、心血を注いでドレースデンを芸術の中心地にしました。佐賀の柿右衛門や伊万里・有田の磁器収集もしたので、それらはツヴィンガー宮殿の磁器コレクションで見る事が出来ます。

アウグスト強王の像ゴルデナー・ライター(黄金の騎士)は、エルベ対岸にあるノイシュタットのシンボル。この像は空襲後に瓦礫の中から原型を留めて見つかったというので、像も強靭だったとの話も伝わっています。


エルベ川上流にはザクセンスイスと呼ばれる山地があり、ちょっとしたハイキングが楽しめます。



6) Feldschloschen Pilsner フェルトシュレースヒェン・ピルスナー
7) Radeberger Pilsner ラーデベルガー・ピルスナー・フォムファス


本拠地がドレースデンにある地ビールは、1858年創業のフェルトシュレースヒェン。中心商品はピルスナーです。
この小さなブルワリーは生き残りの為に、統一ドイツ後はハンブルクのホルステン傘下になり、市内の工場が近代的に刷新されました。ホルステンも現在は、デンマークの巨人カールスバーグの傘下となっています。

レシピは維持されているかどうかわかりませんが、同じピルスナーでもラーデベルガーより濁りがあるので、フェルトシュレースヒェンの伝統は守られているのかもしれません。


東独時代、初めてドレースデンを訪問した際、ラーデベルガーピルスナーとマイセンのワインを知りました。
アウグスト・デア・シュタルケの後を継いだ息子が、王の飲み物と指定したと聞きました。切れ味良い飲み心地。ボヘミアで成功したピルスナーを早い時期からザクセンで作り、この地域に広まった様です。

21世紀に入って、資本家の某企業グループの傘下になったためか、ドイツのテレビでコマーシャルを時々見かけます。東部ドイツ以外でも駅のキオスクで缶ビールコーナーを見ると、ベックス、クロムバッハー、ビットブルガーと共によく見かける銘柄です。しかし、チャンスがあれば生(vom Fass)をいただきたと思います。

尚、ラーデベルガーは現在もドレースデン郊外のラーデベルクでのみ作られているという事です。


8)
アイバー(Privatbrauerei Eibau)シュヴァルツ
ザクセン東部オーバーラウジッツの黒ビール


ピアノビルダーで旧知の友人は、1日おきに愛飲する地元の黒ビールを教えてくれました。

ローストが強く、深煎りコーヒーの様な色合いで、印象としては一見苦そうな感じですが、マイルドでほんのりと甘い香りがします。

オーバーラウジッツはチェコとドイツが入り組んだ地域。アイバービールは田舎町コットマールというところに醸造所があるそうです。

壁面にスレートを組み合わせ、小ぶりで愛らしい伝統的民家もこの辺りの点在し、オーバーラウジッツの個性を教えてくれます。又、南部では湖水地域もあります。

ドイツにも少数面族が生活しているという事は。勉強不足で全く知りませんでした。

このザクセン東部の一部地域は、スラブ系少数民族ゾルプ人居住域があります。
ドイツ国鉄のホームもゾルプ語(Solbisch)と、ドイツ語が併記されています。

友人によれば混血が進んでいて、純粋なゾルビッシュは少ないとの事です。


オーバーラウジッツ地域の一部には、壁面を石で鱗のように合わせた独特の民家が点在します。これらは皆背が低い小振りな家屋です。残念ながら鉄道駅からは遠く、観光地ではない為、訪れる人も少ないのですが、友人に案内をしてもらい撮影を




東部ドイツ テューリンゲン州


◎ 東部ドイツTuringen(テューリンゲン)州

古都エアフルトは、テューリンゲンの州都。戦火を殆ど受けなかったので歴史的建物が多く残っています。
有名なクレーマー橋(Kramer Brucke/1325年)は、ゲーラ川の中州に掛かっています。当初は木製で、後現在の石橋になりました。

この辺りのゲーラ川は清流で、水深も深くない為に暑い夏には料を求める市民や、散歩中に川に入るワンちゃんの姿も見られます。水が豊富で良い為か、無料のミネラルウォーターの給水所も見かけます。

イタリアのフィレンツェにあるベッキオ橋(Ponte Vecchio/1345年)と良く比較されるようです。橋上に家が建っているところは共通な所ですが、あちらは橋上の建物間間から景色も見えます。アルノ川は河岸が高く固められているので、橋も高く川幅も広く、大陸の中流域らしく濁っています。

橋の上に民家があるという事は判りますが、こちらは密集しているので知らずに歩けば、石畳の道を通ったと思うだけでしょう。
9) Zum Goldenen Schwan ツム・ゴルデン・シュヴァン 古都エアフルトのマイクロブルワリー 

テューリンゲンの森から流れ出た清流がある為かどうか、真偽の程は定かではありませんが、クレーマー橋から徒歩圏にツム・ゴルデネン・シュヴァン(Zum Goldenen Schwan) というマイクロブルワリーがあります。
史跡巡りの後は、地ビールで喉を潤してはいかがでしょう。

木造りで歴史を感じる店内は、小ぶりな仕込釜もあって新鮮なビールを味わえます。

ビールカルテには、ピルスナー、黒、ヴァイツェン、季節のビールの4種類が出ています。管理人が訪問した時期は仕込みの関係か、ピルスナーとヴァイツェンのみの提供でした。

この日、昼食を採っていなかったので、16時ですが少し早めの夕食にありつきました。

ピルスナーは0.4L、1L。ヴァイツェンは0.3L 、0.5L、1Lといった分量で提供されます先ずはヴァイツェンを飲みながら、注文料理ザウアーブラーテンを待ちました。濁り具合は中庸で、隣接するフランケンの物と似た味わい。香りがあり、上面発酵のまろやかさも感じます。

ザウアーブラーテンは肉料理ですが、ただ焼いたものではなく、ワインとに牛肉を漬け込んでいるので、割とあっさりしています。

地方色はあるようですが、共通しているのはやや甘味・酸味がある事で、何度となく食べている好きなドイツ語圏の料理の一つです。ギトギトの肉料理は苦手という方にもお勧めです。大抵は酢漬キャベツとジャガイモ団子が添えられています。

食後は、ピルスナーで仕上。下面発酵のピルスナーもアロマティック。濾過されていないようなので、濁りがややあり、日本の下面発酵のラガー系とは味わいが異なります。
10) Wartburg Pils ヴァルトブルク・ピルス


友人の車で中部ヘッセンから東部Berlinに向かいました。距離があるのにのんびりして出発が遅く、彼の実家へ行くというのですが、どう考えても難しい。

じゃホテルに泊まろうというが、予約している様子もなく、電話案内に問いあわせようといいます。
インターネットの方が早いと助言したのですが、至ってアナログな彼は、出来ないそうで、携帯電話も日本でいうガラ系。

結局外国人の管理人が適当な町とホテルを探して予約。道路ルートを調べると、早くても到着は23時。全くのんきな友人です。日本のビジネスマンには考えられません!!

トイレ休憩はアウトバーンのアイゼナーハ。このパーキングに22過ぎに到着し、給油。良いビールが有ると言って持ってきたのがヴァルトブルク・ピルス、アイゼナーハの地ビールです。

軽い夕食はボックヴルスト。油で焼いていないのので,比較的あっさりしています。是をビールをラッパ飲みして流し込むという御当地流の食事。

グラスなんて洒落たものはないので、色具合いは確認できず。唯、肉料理にはあうピルスナーらしい苦味を持ったビールという事は判りました。そして、ホテルには23時着で、直ぐ横になりました。